淡色に染まりし憂愁

軽薄なる淡色の涙に魅せられて

喫煙のエルドラド、中国

 こちらの記事はお隣、中国の喫煙文化についてと、まさかの喫煙をすればするほどに健康となれるという事で有名な、かの中南海についてを、そうして、もう1つ、そこの高級品として知られるたばこの中華についてをレビューした記事である。

 

 まず始めに、中国は喫煙大国であり、そこはもう一言で表すと、まさに喫煙者にとってのエルドラドそのものである。たばこの生産量と消費量とにおいては、それはもう世界最大の規模であり、その銘柄数は何と900にも上るとされている。喫煙者の数においては約3億2千人とも言われており、世界の喫煙者の半分を中国が占める結果となっている。2016年の世界保健機構(WHO)の調査におけるデータでは、中国人男性の喫煙率が47.6%の第20位と高い傾向にある中で、一方の中国人女性の喫煙率は1.8%の第108位とかなり低い傾向が見受けられた。その理由に、中国には女性が喫煙をたしなむという事を良しとしない風潮があるからだ。いわく、「女性の喫煙は売春婦や不良を連想させる」とのこと。それはともかく、中国は総人口のみならずまさかの喫煙率もそれに劣らぬ数値であるので、さすがであるとしか言いようがない。

 

 日本のたばこは、その価格がどれも大体は似たり寄ったりである中で、中国はその真逆をゆく。その落差がとにかく大きいということに定評がある。安価な物で言えば、1箱が日本円にして40円という破格が過ぎるものが。そうして、高価な物で言えば、1箱が日本円にして何と1000円にも及ぶザ・ピースと同等クラスの銘柄もある。この通り、ピンからキリまである中国のたばこだが、その中でも日本人にとりなじみの深い中国のたばこと言えば中南海と、そうして、もう1つ、中国本土でもこちらでも高級品として有名な、赤色でまばゆいばかりの金色の装飾が施されたパッケージが誠に印象的な中華の2つではないだろうか。

 

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中南海で言えば、それのスーパーライト(タールは3mg)は470円、ライト(タールは8mg)も同じく470円であり、それのライト・メンソール(タールは8mg)、ワン・メンソール(タールは1mg)に至っては450円と、この通り非常に手頃な価格で入手をする事の可能な財布に優しい銘柄である。加えて、”甘草エキス(たんがきれやすい)と羅布麻草エキス(血流をスムースにする)を添加”しているという、まさかの体に優しいたばこでもあるのだ。喫煙をすればするほどに健康となれる夢のようなたばこ、それはまさに従来の喫煙の有害性を覆すかのようなアンチテーゼだ。

 

 ちなみに、こちらのライトを喫煙をした際の感想についてを述べると、のどあめをなめているかのような風味が第一の感想であった。漢方のような健康的な香りもこの銘柄の個性を際立たせており、この香りを嗅いだだけでもそれが中南海であると分かるほどには香りがとにかく独特であるのだ。燃焼がとても早く、深く吸い込むと、あっという間に火種がフィルターにまで達してしまうので、喫煙後に物足りなさを感じた銘柄であった。漢方を服用したかのような独特の後味は、好悪が分かれるように思われる。ただ、前述をした価格で健康を手に入れることが可能であるのならば、試す価値は十分にあると言えよう。

 

 後者の中華。

 

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 こちらは表に天安門のイラストが描かれており、その裏には華表と呼ばれる日本のいわば鳥居的立ち位置にあるイラストが描かれている。その上に金文字でCHUNGHWAと記されている。さすがは「国煙」との相性で親しまれている高級品、注意書きが金文字であったりと、デザイン一つとってもなかなかの力の入りようである。しかし、この銘柄のさらに上をゆく銘柄は普通に存在をしている。その銘柄を例に挙げると、中国のかつての国家主席であられた鄧小平さんが愛煙をしていた事で有名な、中国本土で1箱1500円もする熊猫(パンダ)。青色を基調とした、中華に劣らぬきらびやかな装飾が印象的な中国本土で1箱2500円もする真龍。そうして、私が知っている限り、中国本土では最も高いと思われる1箱3000円もする道という名の、世界一高価なたばこで知られているかのトレジャラー・ブラックと肩を並べる価格の銘柄までもが、中国本土では至って普通に存在をしているというありさまだ。

 

 中国本土のたばこの価格がこれほどまでにも高価である理由は、一体なぜなのか……。それには中国の喫煙文化ならではの、きちんとした理由がある。その理由とは、つまるところその銘柄が高価であればあるほどに自分の面子が立つと言われているからだ。中国にはあいさつがてら、先方にたばこを差し出すという独自の文化があり、その相手に差し出す銘柄の価格によって、自分のランクまでもが決まるとされている。故に、自分が普段愛煙をするたばこと、先方に差し出すたばことを分けておられる喫煙者の方も普通に存在をすると言われている。そうした理由から、中国ではその品質はさておき、銘柄の価格が日本で暮らすわれわれには考えられないほどに高騰をしているのだ。そうした文化を逆手に取り、高級な銘柄の贋作が中国本土で流通をしているという事例も普通にある。それに絡んだものとしては、以前、中華の贋作が突如暴発をして、指が吹き飛んだという事故が発生をした。これは中国のそうした文化が生んだ悲劇と言えよう。贋作が数多く出回る中、それが真作であるという事を証明すべく、中華の場合は、銀紙を光に当てるとそのホログラムが浮かび上がるという仕様が施されている。

 

 この通り、中国にはかなりの喫煙文化が根付いており、その文化を表す言葉に「敬煙(敬意をもってたばこを勧める)」、「以煙待客(たばこで客をもてなす)」、「煙酒不分家(たばこやお酒があれば他人ではなくなる)」などといった言葉がある。これらの言葉がある事からも、中国という国においては、いかにたばこがコミュニケーションの場において潤滑油的役割を果たしているのかについてが見て取れるだろう。贈答品もたばこが最も無難とされている。そうして、仲がよい者同士ともなると、先方に向かってたばこの箱を投げるという行為が中国ではごく普通にある。それにもきちんとした意味があり、投げる側は、その相手の事を自分の仲間だと認識をしたという意味合いを込めてたばこの箱を先方に投げる。投げられた側がその箱を受け取ると、投げた側の好意をしっかりと受け取ったという解釈がなされる。この光景は食事の場においてよく見られるとされており、これも日本にはあまり浸透をしていない中国ならではの文化であろう。

 

 中国の喫煙率が極めて高い理由の背景には、喫煙をしている様を美化している風潮も影響を及ぼしているとされている。その証拠に中国の映画では、主人公やその相手の喫煙シーンが度々流れるのだそうだ。一部の集落では、その風潮からか人前でわざわざ喫煙を、それもあえて高級な銘柄を人前で喫煙をされる方が多いという点に特徴がある。

 

 さて、ここまで喫煙の文化についてを述べた。以下に中国が喫煙大国であるゆえんと、前述をした中華のレビューについてを記そうと思う。

 

 タイトルの通り、中国が喫煙者にとってのエルドラド、いわば楽園である理由は、一言で言ってしまえば中国自体が所構わず喫煙をできてしまうという夢のような国であるからだ。日本は喫煙スペースや分煙にひどく敏感な国であるが、中国は日本に比べ、そうした意識がお世辞にもまだまだ高いとは言い難い状態にある。過去には、その自由さが引き金となり、裁判にまで発展をしたケースもあった。だからといって禁煙に関する取り組みが今日に至るまで何も行われなかったのかと言えば、決してそうではない。事実、禁煙に関する条例が実際に施行をされたケースは過去にあるものの、中国人の「集団で喫煙をすれば、例え指定場所で喫煙をしても怖くない」という集団心理によって、それが成功をするといった事はほとんどなかった。故に、日本に観光に訪れた中国人は、日本の分煙や喫煙事情についてをよく「不便」であると語る。だが、自販機でたばこが売られている事については、「便利」であると語る。

 

 以上の理由が、中国が喫煙者のエルドラドと化しているざっくりとした理由である。以降、ここからは、中華に関するレビューを述べる事とする。

 

 中華には、ソフトパックとボックスとの2種類があり、日本で現在主に展開をされている種類は、ソフトパックではなくボックスである。これらの相違点は、やはりまずその価格であろう。ボックス(タールは12mg)が600円であるのに対し、ソフトパック(タールは同じく12mg)が1050円という高級品っぷりであるからだ。これらは見た目でいえば、229との数字が先端に記されているかいないかというだけの違いであるのだが、実際に喫煙をするとその違いは瞭然。ボックスに比べ、ソフトパックは当初から非常によい香りを放っており、高級品という位置付けにも納得のゆく仕上がりとなっている。一方のボックスは、ソフトパックに比べて香りが弱いという風に感じた。

 

 鼻腔をくすぐる芳醇な香りに酔いしれながら、着火。甘くも控えめな優しい香りが私の事を包み込んだ。その甘さはごく自然な香りで、どことなく果物を彷彿とさせる。その上品な香りは、ピースと系統が同じであるように思われた。

 

 終始しっかりとしたうまみがあり、それでいて辛みは特になし。マイルドで、非常に吸いやすいたばこであるとの印象を受けた。高級品ながらも完全に洗練をされているというわけではなく、どこか素朴な味わいを残しつつも、けんらんな味わいに仕上がっている。その味わいは、日本にはない、中国を彷彿とさせるような独特の風味であると感じた。同時に、その素朴さが、私に安心感を与えてくれた。フィルターのギリギリまで喫煙をして消火。その甘い余韻が、私の口内をしばしの間満たしていたのであった。

 

 さすがは国が総力を挙げて製造をしている中国を代表する銘柄なだけあり、その品質は、日本のたばこにも劣らない良質なものであるとの断言をする事ができるであろう。この価格帯で販売をされている事にも納得のゆく一品だ。

 

 ソフトパックは日本での入手がほぼ困難であるので、それは自分に対するご褒美として喫煙をするようにしたいと考えている。ボックスはソフトパックに比べてわりと流通をしているので、今後はそちらから消費をしてゆく予定だ。

 

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